11月22日(金)〜24(日)武蔵野の森総合プラザにて開催された、第12回全世界空手道選手権大会。
東京城西世田谷東支部から、大澤佳心君、高木信君の2名が出場。2名とも本戦・4回戦まで勝ち進みました。
大澤君は初日、金曜日からの出場。真銅先生からの報告だと調整もうまく行き、絶好調との事で試合が楽しみでもありました。
実は、毎週土曜日の選手稽古に大澤君は参加していませんでした。
大澤君からは、「支部の選手を盛り上げて行きたいので土曜日の稽古参加します。」と言ってもらっていました。
世界大会を考えると、
現在の土曜選手稽古は、中高生が中心で大澤君の相手になる選手がいない事。
同日に開催される、山川選手や西村選手などの大型の日本代表選手や、強い若手が集まる、鈴木雄三支部長の指導する、ユースエリートクラスへの参加を世界大会まで優先する様にしてもらいました。(鈴木支部長、大変お世話になりました。ありがとうございました。)
ユースエリートクラスの動画です。
ですので、大澤君の状態は、真銅先生からの報告、鈴木支部長、本人との会話の中で確認するのみでした。
その全てが「非常に良い状態」「相当強い」との事で、ワクワクした気持ちで当日を迎えました。
大澤君はBブロック。
◆初日
初戦の相手は、レオナルド・ウェレ選手(ウガンダ)。
非常に落ち着いて戦い、足掛け下段突き・上段回し蹴りの技あり二つで、合わせて一本勝ち。順調な滑り出しでした。
◆2日目
2回戦の相手は、ルイジ・カンティド選手(ブラジル)。この選手は欠場。
3回戦は、ロシアウエイト制大会で準優勝の実績がある、イリヤ・ポリャコフ選手。
この試合も非常に余裕を持って戦い、常に相手にプレッシャーをかけて、磨いてきた胸への突きを活かし完封。本戦判定勝利で、3日目の本戦へ駒を進めました。
◆3日目
いよいよ今日が本番。
開会式、ルール説明の後、まずは試し割りです。
大澤君は合計20枚の板を割りました。
今大会、1番の大きな山と考えていた4回戦。
相手は196㎝・96㎏、強豪、アントン・グリアエフ選手(ロシア)
グリアエフ選手は、
2018全日本ウエイト制大会重量級優勝
2018全日本大会 第7位
2019全日本ウエイト制大会重量級準優勝
と錚々たる実績の持ち主。
長身で、前に出る圧力もあり、技の回転も早く、非常に攻略しにくい選手です。
3回戦までの戦いを見て、下突きがすごく鋭く、うまくなっていた事に驚きました。
ウエイト制での大澤選手が有効に使った、肩口や、鎖骨への突きに対する対策かな?と感じました。
いよいよ4回戦。
試合場で対峙する2人。
アントン選手の背の高さが際立ちます。
主審の「はじめ!」の合図とともに大澤君が仕掛けます。
アントン選手も負けじと応戦。
鍛えてきた胸部、肩口への突きを叩き込む大澤君。
アントン選手は下突きと下段、膝蹴りで対抗。
膝蹴りをすくって、足掛けを狙う大澤君。
激しい打ち合いが続きます。
相手の圧力に耐える為か、大澤選手相手の下段を受けずに貰う場面が目立ちます。
手数的にもやや相手の方に分があるか?
見ているこちらも手に汗を握ります。
あっと言う間に試合終了の太鼓がなり、小豆袋が投げ込まれます。
主審「判定!」
赤い旗が3本真上に上がりました。
大澤君の世界大会がここで終わりました。
皆さんもご存知の通り、大澤君は今大会を最後に現役選手を引退します。
今大会は本気で優勝も狙っていました。
大澤君の敗退・・・これで選手を引退・・・
いろんな思いが混ざり、目頭が熱くなりました。
試合で活躍するに従って、大澤君には合宿での講演や支部全体の稽古での技術セミナー等をお願いする事が多くなりました。
嫌な顔一つせずに、「頑張りますっ!」と引き受けてくれました。
また、選手稽古でも、きつい稽古を明るく乗り越えようと、いつも率先して声を出して盛り上げてくれました。
常に、昭島道場を、せたひがを盛り上げて行くという意識で行動してくれました。
ありがとうございました。
自分のみならず、せたひがの分支部長の先生方も大澤君の引退は寂しく感じている事と思います。
小さい頃から大澤君を育ててきた、真銅先生は尚更の事でしょう。
常に大澤君を支えてきた小林龍太君も。
空手の世界では、父親が真銅先生で兄貴が小林龍太君。
そんな深い絆の3人です。
どんな思いでいるかは自分には計り知れません。
真銅先生も小林君もこれまで、本当に本当にお疲れ様でした。
佳心。
これからの人生のほうが長いです。
就職して社会に出ても、さすが極真空手を修行してきた人は違うな、と一目置かれる存在になって、極真の素晴らしさを広めて下さい。
新しい人生に向けて、前を向いて歩んで下さい。
いつまでも応援しています。
4年前。全日本ウエイト制記者会見。
4年前の選手稽古。
2年前